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2006年3月28日 (火)

1-1-4 イリジウムプラグについて

興味深い研究報告書を発見したので、これまでの自分の誤解を解いてくれたことに感謝します。

さて、基本的に私は「新しいものは疑ってかかる」性格です。
とくに、悪しき慣習におぼれた資本主義社会の只中にある上で、物事の真偽を見極め、本当に有益であるのか、メディアや企業倫理に惑わされているだけではないのかという点については神経を尖らせています。
最近は世に出るものの9割9分がまがい物である事実に悲嘆しながら、それでもわれわれの生活や文化を向上させてくれる「何か新しいもの」を見つける目だけは養っておかないと、来るべき時に然るべき行動を取れなくなります。それもまたまた問題であるから、日々技術の進歩や世の中の流れには目を向けておかなければならないわけです。
PL法の施行(それ以外にもT社のサポート問題とか、S社の粗悪製品問題とか)を境目に、消費者が企業に食って掛かるような状況が横行しているようですが、道路交通法のように交通弱者として扱われる歩行者のごとく、過失を認めながらも酌量されないのはいささか問題があると思います。
消費者は、自分にとって価値があるか否かを自分で判断する責任を負っているのですから、それを度外視して企業責任を追及しては、ますます消費者が馬鹿になるだけではないかと。もっとも、消費者を騙すような態度で社会活動を行っている企業は淘汰されて然るべきですが・・・。

話がそれた。
今回は表題の「イリジウムプラグ」について。

点火における最も重要な役割を果たす「プラグ」は、内燃機関の発達とともに技術の進歩が続いています。70年代ではニッケル、80年代の最近(といっても数年になる)まではプラグを構成する電極に主に白金(pt)が使用されていました。このあたりで革命的な発展というものはなく、接地電極を工夫したり中心電極の形状を工夫したり、ハウジングの材質を見直したり、また形状を変更したり。材質においてもいくらかの合金が試用されていたりはしたようですが目覚しい進歩というものは見受けられなかったような気がします。
技術的にはこのあたりが、また歴史的に見ても、構成部品の少ないスパークプラグが技術的に「プラグは枯れてきている」と私を思わせた所以です。
そんな時期に登場したのが「イリジウムプラグ」です。
これまで主に白金が使われてきた中心電極をイリジウムの合金に置き換えた「だけ」なのですが、それが他の構造にも良い影響を生み出し、スパークプラグの大きな性能向上を果たしました。個人的には躍進的なプラグの進化だと捉えています。

冒頭の話に少し戻りますが、登場当初、この仕様に関する技術的なドキュメントをすぐに見つけることができなかったため、いわゆる「眉唾物」と判断しました。
とくに昨今一般の消費者には理解しにくい横文字を使い、あたかもすばらしい技術や効能を持つと錯覚させるものの売り方が横行しており、その類ではないかと直感的に判断してしまったからです。間違った判断でしたが。
最近で言うと「トルマリン」や「ゲルマニウム」などが最たる長でしょうか。普通の人では知る由もない特殊な横文字(主に元素名や素材で、響きが重視されるらしい)を並べることで、なにか特殊な効果があると期待させるやり方ですね。

車パーツ業界でも例外ではなく、ゲルマニウムこそ登場しなかったように思いますが、トルマリンで燃費改善とか、ネオジウムでパワーアップとか、そのうちイットリウムで何とかとかデンドロビウム・・・(ry
当初は、文献が見つからなかったため私もその手のものだろうと勝手に想像していたわけです。

そうこうするうちにMSD製品に興味を持ちはじめ、また点火システムや点火のメカニズムについて広く知識を得るようになり、そんな中でプラグに要求される「仕様」というものが見えてきました。
その中でもっとも重要だと私が考えたのが、消炎作用の低減と、耐摩耗性の向上です。
こんなことは別に気がついたからスゴイことでもなんでもなくて、おそらくプラグを開発している方や点火チューニングに明け暮れている方なら「当たり前だろ」と思われることです。
しかし、いずれも白金を用いたスパークプラグでは、現在以上の革新的な進歩は望めなかったのです。

「プラグについて」の項でも述べているとおり、プラグにはさまざまな作用が加わり、基本的には点火しにくい方向へと推移します。それをうまく相殺してやることが命題だったわけですが、白金で行える対策は現在の形が最もバランスの取れた形だったのです。

そして、今回紹介する「イリジウム」となるわけですが、これまでもイリジウムは、高耐性、高寿命の素材としてプラグ用の素材として注目はされてきたようです。
しかし、高温化での酸化揮発の問題や、加工性の悪さの問題から実現化が難しいとされてきました。そこで、ロジウムと合金化することでこの問題を解決したそうです。

これにより、白金より高い耐性を持つイリジウムを用いて
①中心電極を微細化できる
②耐久性を持たせることができる
ことができるようになりました。
両方は密接に相関関係を持つために番数を持たせることは適切ではありませんが、先に述べたスパークプラグに要求される仕様に対応させるためにあえて分けています。
具体的には、同じ構造で白金プラグとイリジウムプラグを作った場合、白金の中心電極を1.1mm、イリジウムの中心電極を0.7mmと微細化しても白金に比べてイリジウムは二倍の寿命を持つことができる。また、寿命を同等とした場合、中心電極を0.4mmまで微細化できるということです。
高寿命については点火性能の向上というよりも安定した点火供給といった意味合いが強いのですが、中心電極の微細化については「プラグについて」の項でも述べている消炎作用を大幅に抑えることが可能になります。
報告書では、初期燃焼の向上により、完全燃焼までの速度の向上、また完全燃焼の度合いの向上などの効果もあるとしています。
この状態で放電限界地近くまで広めにギャップをとれば火炎核の成長を妨げる要因は限りなく小さくなり、より確実な着火が可能になります。
さらに逆手に取ると、プラグの微細化により消炎効果が激減したことで、これまでは不可能であったプラグギャップの狭小化が図れるようになります。火炎核は微小な電極に邪魔されることなく成長し、かつプラグへの要求電圧も低く抑えることができるようになります。

このようにさまざまな効果を生み出すイリジウムプラグは、決して眉唾物ではない裏づけのある高性能な製品であることが確認できました。

実際にDENSOからは

イリジウムパワー(http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumpower/index.html)
イリジウムタフ(http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumtough/index.html)
イリジウムレーシング(http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumracing/index.html)

などの製品が、それぞれ素材の特性を生かしながらラインアップされています。
従来素材の白金とのバランスを図りながら、性能に差別化が図られています。
特に「イリジウムレーシング」などは考えられない構造です。理論的に従来品を凌駕していることは間違いないでしょう。
体感できるかどうかはどれだけ信じられるかによって変わってくるでしょうが、点火チューニングの要を確実に抑えられることであることに間違いはないようです。

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