1-2-4 プラグコード考察(4)

コストパフォーマンス、その他扱いやすさはどうか。

最後に、いくら性能が良くても高くて手が出ないんでは困ります。
また、効果(の測定はしにくいので、性能数値での比較になりますが)に対するコストも重要な判断基準になると思われます。
そこで、調べてみました。MSDについては私のところの販売価格を参考にしています。永井電子とNologyに関しては、均一な調査をするために、同一店舗(MOH)の価格を調査しています。
いずれも2006年3月1日現在の価格で、利用効果が高く、需要もエンスーを中心に多くあると思われるL20型エンジン(6気筒)を参考に、価格を調べてみました。

永井電子
ウルトラシリコンパワープラグコード
日産
フェアレディZ

HS30H/HS30
L24

1971/10~1974/01
定価\21,420
MOH\14,910

Nology HotWire
日産
フェアレディZ

L型エンジン搭載車
L20/20E(T)/24/28E


定価\55,650
MOH\40,624

MSD SUPER CONDUCTER CABLE
6気筒用汎用キット
\13800(2006・3.1現在)


Nologyは別格になっちゃってますね・・・たぶん何か神がかり的な機能が盛り込まれているのでしょう。お金ある人は、ガンガン行ってほしいです。
注目の永井電子とMSDは、おこずかいでも十分手の届くレベルです。
これぐらいの価格でないと、チューニングを手軽に楽しむというレベルではなくなってしまうと思います。どっちが費用対効果があるかという話は、精神的なものも含まれると思うので言明は避けます。


取り付けに際して

永井電子は国産車をはじめとして多くの車種に専用品が用意されているので、取り付けに苦労することはまずないと思います。慣れた人なら10分もあればいいでしょう。
一方のMSDは、私が輸入しているものは「キット品」なので車種に合わせた加工が必要になります。これも、慣れた人ならば30分もあれば終わるレベルです。
純正品の長さを調べて、線をカットして、ブーツを差し込んで、金具をカシメて、車に取り付ける。
この基本ステップだけです。
しかし、こんな基本ステップも慣れていない人にとっては重労働なので、自信がない人は避けたほうが良いでしょう。


総合的に判断すると

①とにかく徹底して点火システムの性能追及!
ならMSD

②性能も重要だけど、取り付けがしやすいやつで、サポートとか絶対必要。
なら永井電子

③バランスがいいやつ。手間は惜しまない。
ならNGKのパワーケーブルを2年ごとに交換(走行距離によりますが)


といったところでしょうか。

このコンテンツはあくまでPRIVATERとしてがんばっている方に向けたものなので、ガッツあるプライベーターには是非①でチョイスしていただきたいものです。私がそうしたように。
決して永井が悪いのではありません。抵抗値がそれなりの値確保されている(公表されていないのでどうかわからんけど)のは、ノーマルのトランジスタ点火でもある程度の性能を保証するために、抵抗を残しているのでしょう。

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1-2-3 プラグコード考察(3)

太さにこだわるのは?

MSDは声高らかに「8.5mm!」と謳っておりますが、導体は皮膜に覆われたコードの奥底にあるのに、なんで太さが関係あるんだ?と思われるかと思います。実際私もそう考えていましたので、深くそこに追求しようとは考えていませんでした。
前記の抵抗値の件でくまなく永井電子のHPを探していると、Q&Aにその答えが載っていました。

永井電子HP Q&Aより
『Q:8mm径と7mm径では何が違うのですか?

A:8mm径と7mm径ではもちろんコードの太さが異なりますが、この1mmの肉圧の違いが耐絶縁特性の違いに現れます。
肉厚1mmあたり23KVという絶縁性に優れた純粋シリコーンゴムを2層に巻いて、8mm径では耐電圧15万ボルト以上(+22℃水中テスト)、7mm径では12万ボルト以上を実現し、CDIなど高性能点火装置にも対応した余裕十分な耐電圧特性を確保しています。』


なるほど。いかに安全性を高め、かつ与えられたエネルギーを効率よく伝えるかということですね。
微々たる物(ミクロの世界ではすごいことでしょうが)永井電子とMSDの差=0.5がそこまでMSDに有利に影響を与えるとは思えないでしょう。

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1-2-2 プラグコード考察(2)

前回永井電子が採用しているコード(おそらくソケット内)の抵抗の話を検証するために、参考までに、一般的なエンジンの中で配線されたときの長さとその差を見てみる。

永井電子謹製(レギュラーシリーズの3倍の性能(!)を持ったとして
Cyl1 30センチ 100Ω
Cyl2 40センチ 120Ω
Cyl3 50センチ 150Ω

Cyl1-3間の差異は50Ω。当然高いほうにあわせるわけだから、全気筒150Ωにしなければならないと。

MSD製 (SUPER CONDUCTER CABLE)
Cyl1 30センチ 40-50Ω
Cyl2 40センチ 53.2-66.4Ω 
Cyl3 50センチ 66.5-83Ω

Cyl1-3間の差異は最大で43Ω。(低抵抗境界で26Ω、高抵抗境界で33Ω)
すでに気筒あたりで圧倒的な性能を誇っているだけに、調整なんてする必要がないという腹でしょうか。

数字だけ見れば、MSDに軍配が上がると、私は考えます。(CDIに使用する場合)
永井電子の場合は、おそらくノーマルにもそのまま使えるように配慮しているのではないでしょうか。
ポイントやトランジスタ式などでは闇雲に抵抗を下げればいい訳ではないですし、一般の車両ともなるとプラグ回りから出るノイズに目を光らせないと「性能も快適性もどっちもほしい」という無茶な欲張り方をする日本人には売れないでしょうから。

しかし、自分のところでもMDI出してるんだから割り切ったプラグコードを出せばいいのに。
永井のコードは、ノーマル車にも使えるけど多少高性能。
MSDは、ノーマル車にも使えるけど、圧倒的に高性能を求めるかたむけ。ただし、ノイズが載る可能性は捨て切れませんよと。

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1-2-1 プラグコード考察(1)

F6a_scc_03
さて、プラグコードも変えたことだし、プラグコードについて考えてみたいと思います。
なぜMSDのプラグコードに至ったのか、その経緯を交えながら。
漠然と理屈だけを並べてもわかりにくいかもしれないので、代表的な製品を対象に比較してみたいと思います。対象は国内でよく見かける「高性能プラグコード」と呼ばれるものと、MSDのプラグコードの比較を中心にです。
結論から言ってしまうと一般の方の究極のプラグコードチョイスは、「NGKパワーケーブルを2年ごとに交換」だと私は思っておりますが、それでは自分自身を否定することにもなってしまうので、今回取り付けたMSDをいかに誇張するかということで話を造ってみたいと思います。

各高性能プラグコード比較

永井電子
ブルーポイント パワープラグコード 500Ω(0.5kΩ)(気筒あたり50センチ程度?)メートルあたり約1kΩ
ウルトラシリコーンパワープラグコード 不明(くまなく調べたが、記載なし。(http://www.nagaidenshi.co.jp/PLUG/silicon.shtml#PRODUCT-FEATURE))
そんななかで・・・
『従来のカーボンコード
現在広く多用されているカーボンコードでは、1mあたり抵抗値16kΩの規格を採用しているため、ケーブルの長さによって抵抗値に差が生じることになり、つまり、気筒ごとにその抵抗値が異なることになります。しかも、カーボンコードは経年変化によって抵抗値が変化するため火花エネルギーが弱くなったり、材質的にもゴムの劣化が促進し、ひび割れが発生して、リークの原因ともなります。』
としているが、フラグシップのウルトラシリコーンパワープラグコードで如何ほどなのかには触れていない。

Nology

Nology Hotwire 300Ω(0.3kΩ)(1フィート(約30センチ)あたり)メートルあたり約1kΩ


MSD

MSD SUPER CONDUCTER CABLE 40-50Ω(0.04-0.05kΩ)(1フィート(約30センチ)あたり) メートルあたり 約133-166(0.13k-0.16k)Ω

In a single 12 inch length of Super Conductor Wire there is only 40 - 50 ohms of resistance! That is the lowest resistance of any helically wound wire.

Helically Wound Copper Alloy Conducter(螺旋状銅合金導体)
Ferro-Magnetic Impregnated Center Core(強度磁性センターコア)
MSDでは、プラグコードを低抵抗とする代わりに、センターコアに容量を持たせるような構造をとっているようですね。

正直思ったより永井電子とNologyが低い値で競り合っていたのでMSD危うし?と思ったら、圧倒的な値が出た。永井電子にいたっては、フラグシップモデルのウルトラシリコンパワープラグコードの抵抗値の記載がない。それどころか、ブルーポイントでも(気筒あたり)という至極あいまいな表現だ。
気筒あたり50センチとして仮にブルーポイントの二倍の性能としても、圧倒的にMSD製のほうが低抵抗である。その差は6-7.5倍にもなる。永井電子が言うように「各気筒間でコードの長さに差異が生じ、その差による抵抗値の差が性能に影響を及ぼす。従って弊社は車種別専用設計として、各気筒間の差異を抵抗によって調整云々・・・」なんてのはまったく必要がないということになってしまう。ノイズ対策には有用だが・・・。


つづく

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1-1-5 そこで私が選んだプラグ

ニッケルの安いプラグで。

といってはこれまでの話が実も蓋もありません・・・。
とりあえずメンテナンスに関してはまめにできますので、耐久性と性能どちらをとるかといわれたら性能です。優れた点火は、パワーアップや安定した燃焼に貢献するだけでなく、フィーリングや燃費向上にも期待が持てます。

メーカーは地場産業ということもありDENSOを選択することにし(性能的な根拠はないのでNGKでも別にいいと思います)DENSOでも三つの製品のどれにするかということになります。

イリジウムパワー (http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumpower/index.html)
イリジウムタフ (http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumtough/index.html)
イリジウムレーシング (http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumracing/index.html)

上のサイトでは明確な違いがどこにあるのか述べられておらず、選択に迷いが生じます。
簡単に説明すると

イリジウムパワー(バランス仕様)
中心電極 イリジウム0.4mm 接地電極 ニッケルクロムU字&テーパー

イリジウムタフ(耐久性仕様)
中心電極 イリジウム0.4mm 接地電極 プラチナ電極onニッケルクロム

イリジウムレーシング(性能追求仕様)
中心電極 イリジウム0.4mm 接地電極 0.8mmオールプラチナ電極


このことから、イリジウムパワーは接地電極にニッケルクロムを用いながら、飛火を効果的にさせるために形状を工夫したことがわかります。

またイリジウムタフは、接地電極の形状の工夫は見られないもののニッケルクロムの接地電極支持に白金チップを電極に用い、高い磨耗性を保持して耐久性を売りにしています。

最後のイリジウムレーシングは、接地電極をすべてプラチナ化し、また微細化を図ることで圧倒的な性能を発揮できる仕様になっています。耐久性には大いに疑問が残りますが、レースしようということですから極端な話ワンレースもてばいいんじゃないでしょか。おいそれと買えない値段ですが、試す価値は十分ありでしょうね。

ということで、レースやるわけではないので「イリジウムパワー」を選択することにしました。
熱価はノーマルより一番手上の24番です。
今後高ブースト化の予定ですし、なにやらおかしなガスを注入する予定、またイグニッションはすべてMSDで完璧に保管する予定ですので、一番手上げたくらいで下で悪影響が出るとは考えにくいからです。

さて、単体で換えたときの効果ですが、燃費などに多少(1パーセント未満)の改善は見られると思いますが、体感できるほどの効果は出ません。体感できたら「神」だと思います。
もっとも、消耗しきって点火不良を起こしているようなプラグなら効果はあると思いますが・・・ただそれって、性能が上がったんではなくて元に戻っただけなんですよね・・・。

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1-1-4 イリジウムプラグについて

興味深い研究報告書を発見したので、これまでの自分の誤解を解いてくれたことに感謝します。

さて、基本的に私は「新しいものは疑ってかかる」性格です。
とくに、悪しき慣習におぼれた資本主義社会の只中にある上で、物事の真偽を見極め、本当に有益であるのか、メディアや企業倫理に惑わされているだけではないのかという点については神経を尖らせています。
最近は世に出るものの9割9分がまがい物である事実に悲嘆しながら、それでもわれわれの生活や文化を向上させてくれる「何か新しいもの」を見つける目だけは養っておかないと、来るべき時に然るべき行動を取れなくなります。それもまたまた問題であるから、日々技術の進歩や世の中の流れには目を向けておかなければならないわけです。
PL法の施行(それ以外にもT社のサポート問題とか、S社の粗悪製品問題とか)を境目に、消費者が企業に食って掛かるような状況が横行しているようですが、道路交通法のように交通弱者として扱われる歩行者のごとく、過失を認めながらも酌量されないのはいささか問題があると思います。
消費者は、自分にとって価値があるか否かを自分で判断する責任を負っているのですから、それを度外視して企業責任を追及しては、ますます消費者が馬鹿になるだけではないかと。もっとも、消費者を騙すような態度で社会活動を行っている企業は淘汰されて然るべきですが・・・。

話がそれた。
今回は表題の「イリジウムプラグ」について。

点火における最も重要な役割を果たす「プラグ」は、内燃機関の発達とともに技術の進歩が続いています。70年代ではニッケル、80年代の最近(といっても数年になる)まではプラグを構成する電極に主に白金(pt)が使用されていました。このあたりで革命的な発展というものはなく、接地電極を工夫したり中心電極の形状を工夫したり、ハウジングの材質を見直したり、また形状を変更したり。材質においてもいくらかの合金が試用されていたりはしたようですが目覚しい進歩というものは見受けられなかったような気がします。
技術的にはこのあたりが、また歴史的に見ても、構成部品の少ないスパークプラグが技術的に「プラグは枯れてきている」と私を思わせた所以です。
そんな時期に登場したのが「イリジウムプラグ」です。
これまで主に白金が使われてきた中心電極をイリジウムの合金に置き換えた「だけ」なのですが、それが他の構造にも良い影響を生み出し、スパークプラグの大きな性能向上を果たしました。個人的には躍進的なプラグの進化だと捉えています。

冒頭の話に少し戻りますが、登場当初、この仕様に関する技術的なドキュメントをすぐに見つけることができなかったため、いわゆる「眉唾物」と判断しました。
とくに昨今一般の消費者には理解しにくい横文字を使い、あたかもすばらしい技術や効能を持つと錯覚させるものの売り方が横行しており、その類ではないかと直感的に判断してしまったからです。間違った判断でしたが。
最近で言うと「トルマリン」や「ゲルマニウム」などが最たる長でしょうか。普通の人では知る由もない特殊な横文字(主に元素名や素材で、響きが重視されるらしい)を並べることで、なにか特殊な効果があると期待させるやり方ですね。

車パーツ業界でも例外ではなく、ゲルマニウムこそ登場しなかったように思いますが、トルマリンで燃費改善とか、ネオジウムでパワーアップとか、そのうちイットリウムで何とかとかデンドロビウム・・・(ry
当初は、文献が見つからなかったため私もその手のものだろうと勝手に想像していたわけです。

そうこうするうちにMSD製品に興味を持ちはじめ、また点火システムや点火のメカニズムについて広く知識を得るようになり、そんな中でプラグに要求される「仕様」というものが見えてきました。
その中でもっとも重要だと私が考えたのが、消炎作用の低減と、耐摩耗性の向上です。
こんなことは別に気がついたからスゴイことでもなんでもなくて、おそらくプラグを開発している方や点火チューニングに明け暮れている方なら「当たり前だろ」と思われることです。
しかし、いずれも白金を用いたスパークプラグでは、現在以上の革新的な進歩は望めなかったのです。

「プラグについて」の項でも述べているとおり、プラグにはさまざまな作用が加わり、基本的には点火しにくい方向へと推移します。それをうまく相殺してやることが命題だったわけですが、白金で行える対策は現在の形が最もバランスの取れた形だったのです。

そして、今回紹介する「イリジウム」となるわけですが、これまでもイリジウムは、高耐性、高寿命の素材としてプラグ用の素材として注目はされてきたようです。
しかし、高温化での酸化揮発の問題や、加工性の悪さの問題から実現化が難しいとされてきました。そこで、ロジウムと合金化することでこの問題を解決したそうです。

これにより、白金より高い耐性を持つイリジウムを用いて
①中心電極を微細化できる
②耐久性を持たせることができる
ことができるようになりました。
両方は密接に相関関係を持つために番数を持たせることは適切ではありませんが、先に述べたスパークプラグに要求される仕様に対応させるためにあえて分けています。
具体的には、同じ構造で白金プラグとイリジウムプラグを作った場合、白金の中心電極を1.1mm、イリジウムの中心電極を0.7mmと微細化しても白金に比べてイリジウムは二倍の寿命を持つことができる。また、寿命を同等とした場合、中心電極を0.4mmまで微細化できるということです。
高寿命については点火性能の向上というよりも安定した点火供給といった意味合いが強いのですが、中心電極の微細化については「プラグについて」の項でも述べている消炎作用を大幅に抑えることが可能になります。
報告書では、初期燃焼の向上により、完全燃焼までの速度の向上、また完全燃焼の度合いの向上などの効果もあるとしています。
この状態で放電限界地近くまで広めにギャップをとれば火炎核の成長を妨げる要因は限りなく小さくなり、より確実な着火が可能になります。
さらに逆手に取ると、プラグの微細化により消炎効果が激減したことで、これまでは不可能であったプラグギャップの狭小化が図れるようになります。火炎核は微小な電極に邪魔されることなく成長し、かつプラグへの要求電圧も低く抑えることができるようになります。

このようにさまざまな効果を生み出すイリジウムプラグは、決して眉唾物ではない裏づけのある高性能な製品であることが確認できました。

実際にDENSOからは

イリジウムパワー(http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumpower/index.html)
イリジウムタフ(http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumtough/index.html)
イリジウムレーシング(http://www.denso.co.jp/PLUG/iridiumracing/index.html)

などの製品が、それぞれ素材の特性を生かしながらラインアップされています。
従来素材の白金とのバランスを図りながら、性能に差別化が図られています。
特に「イリジウムレーシング」などは考えられない構造です。理論的に従来品を凌駕していることは間違いないでしょう。
体感できるかどうかはどれだけ信じられるかによって変わってくるでしょうが、点火チューニングの要を確実に抑えられることであることに間違いはないようです。

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1-1-3 プラグに求められるもの

これまでに述べてきたことを組上げていけば容易に要求仕様は固まると思います。
ただ、先に答えを出してしまうと
「なんでそうなるのか」の理解が進まず、応用が利かなくなってしまいます。
できれば「なんでそうなるのか」を理解したうえで理想的なチョイス、もしくはガイドラインみたいなものがあると、自分の環境ではどう参考にするべきかという道しるべができると思います。
車なんて国内に300車種もあるし、外産車や中古車市場も入れたらとんでもない数の車種があります。
また搭載されているエンジンも独自のチューンが施されていたり、推奨されるパターンがすんなりはまらないことも少なくないでしょう。

さて、どんな車でも共通する、プラグに要求されることは二つ。
1.きちっと点火してくれること
2.耐久性がある程度あること
です。

それを踏まえたうえ1.の点火について細かいところを見ると

電極はなるべく小さいほうが良い

製造する素材によって決まってしまう問題なので我々ユーザーとしては如何ともしがたいところなのですが、各メーカーしのぎを削って開発競争に明け暮れています。
日本の大手ですとNGKやDENSOなどですが、それぞれ新しい素材や電極の形状の工夫などで消炎効果を抑えようと躍起になっています。
たとえば今あなたがカー用品店にいたとして、目の前に二つのプラグがあったとします。
形も同じ、材質も同じ、値段も同じ。異なるのはメーカーと電極の大きさだけ。
電極が大きいほうと、小さいほう、どちらを選んだらいいかは明白だと思います。


エンジンにあった熱価を選択

どんなものでもそうですが、そのものにあった環境がきちんと提供されないとものは期待通りの仕事をしてくれません。
ここでいう環境は、いろいろな環境を統合したときに考えられる熱価の問題です。
お使いのエンジンはどんな環境にあるのか、っもしくはこれからどんな環境になっていくのか。プラグに適切な環境を与えることは、あなたの大切な仕事です。
プラグだけを同行したからといって車の性能に劇的な変化があることはありえません。すべて、いろいろなもののバランスの上に成り立ちます。
バランスを見極め、適切な熱価を選択しましょう。


利用する点火システム

今すぐ点火システムを維新する予定がないのならば、プラグは今の環境に合わせたものをチョイスするほうがいいでしょう。点火システムの変更は、プラグにもエンジンにも大きな環境の変化です。


などの要求が考えられると思います。

2.については、車との接し方にかかわってくるでしょう。
一週間に一回はメンテナンスをしないと気がすまないようなあなたには、耐久性というものはあまり考えなくてもいいかもしれません。しかし、年に一回ボンネットを開けるかあけないか、もしくは開けてもエンジンルーム内に工具を持ち込んだことがないような場合は、耐久性について重要視したほうがいいかもしれません。特に、人づてに「プラグ変えたら調子よくなったよ!」なんて話を聞いて「んじゃー俺も換えてみようかな?」ぐらいに思うような方は、耐久性重視の選択をしたほうがいいでしょう。
性能重視の選択をしたとしても、その性能が発揮されるのはあなたがプラグを交換することを忘れるのと同時期ぐらいまでなのですから。

車は純正が一番バランスが取れています。特に今の車は10万キロメンテナンスフリーなんていわれるぐらいです。昔はよく道端でOHした車が煙を上げて止まっていたりしましたが、そんなことになる確率は飛行機事故にあう確立よりも低い時代になるかもしれません。
プラグもまた然り、最近登場してきた高性能プラグは、「10万キロメンテフリー」なんていうものもあります。

車が何を求めていているのか。それは自分が求めているものと一致するのか。
メンテナンスはそこから始まると思います。

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1-1-2 プラグと熱価

Plug_1
低熱価と高熱価

「熱価が高い(低い)」という言葉は、チューニングエンジンを搭載した車両を運転している方ならば一度は聞いたことがある言葉のはずです。
この熱価は、プラグがおかれる環境の中で混合気温度や電極温度などに関係してプラグの性能を決める大切なものです。

では熱価がどうして重要視されるのでしょうか。
プラグには、二つの重要な限界温度があります。

ひとつは下限。
プラグは、電極付近の温度が低い場合(約500℃以下)燃焼しきれない燃料がカーボンとなって碍子や電極に付着します。このカーボンが多く堆積すると電気のリークが起こり、正しい経路での飛火が行われなくなります。しかし、電極付近の温度が500℃を超えるとカーボンそのものが熱で焼ききれ、電極はきれいな状態に戻ります。これをプラグの自浄作用(自己清浄作用)といいます。プラグの電極付近は、この「自己清浄温度」を超える温度が保たれていることが必要なのです。
もう一方は上限
上限は950℃で、「プレイグニッション温度」といわれます。熱価が低すぎる場合など、電極付近の温度が下がりきらないままに次の点火行程が行われ続け、950℃付近を越えるようになると、高圧縮の混合気の中で飛火を待たずに電極から自然着火してしまうことがあります。これが「プレイグニッション」です。当然正しい点火タイミングで点火が行われない(往々にして点火が進む方向になる)ので、エンジンにとっては大変危険です。プラグ自身にとってのダメージも大きく、電極の溶解や碍子の破損も招きます。

このことを踏まえたうえで・・・

熱価が低いプラグ(NGKなどでは6番、7番ぐらい DENSOでは20番、22番ぐらい)
熱価が低いプラグは、中心電極とハウジングを絶縁し、かつ電極を適切な位置に保持するための「碍子(ガイシ)」が長く、またハウジングとの間に設けられる「ガスポケット」の容量が多く保たれています。これは、放熱効果を持つハウジングなどから電極部分を可能な限り独立させ、温度が上がりやすいように調整するためです。
電極温度を上がりやすくすることで早期に自己洗浄作用を達成し、いち早く基準性能に達することができます。
「プラグと環境」の項でも述べた、「電極温度が高いと点火しやすい」のを実現するためです。

熱価が高いプラグ(NGKなどでは8番以上、DENSOでは24番以上)
一方熱価が高いプラグは、チューニングエンジンなど燃焼温度が高く、熱価が低いプラグでは温度が上がりすぎるのを防ぐために碍子部分を短く、かつガスポケットを小さく調整し、電極温度が上がり過ぎないように調整されたプラグです。
電極の熱拡散が盛んに行われ、プレイグニッション温度に到達しにくくなっているわけです。
当然低回転時や始動時などは点火がしにくくなります。チューニングエンジンを搭載した車両に乗っている方がよくおこす「カブり」も、こういった原因から起こりやすくなります。
チューニングエンジンを搭載した車両でも、できれば「普段は回さず低熱価プラグ」「今日はサーキットだから高熱価」と使い分けたいものです。

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1-1-1 プラグについて

Plug
点火について、もっとも身近なデバイスであるプラグについて考えてみたいと思います。
通常エンジンをメンテナンスする際に、エンジンのコンディションを把握する有効な手段の一つとしてプラグチェックがあります。
チューニング初期状態ではむしろプラグが唯一の状態チェック用デバイスになっていることもしばしばです。なにしろ、エンジンの中枢である燃焼室内にあって、唯一外部から確認が可能なデバイスだからです。
調子の味方については別解するとして、そのプラグに基本的なことについてさまざまな角度から考えてみたいと思います。

プラグがさらされる苛酷な環境

プラグはエンジンの中でもっとも過酷な環境で仕事をしています。その環境はさまざまな「作用」によって作り出されますが、それぞれが”点火しにくい方向”へと作用します。
その作用を乗り越えて、確実な点火が行われるためにどうなっているのか、考えます。
わかりやすいように、ノーマルの状態とチューニングを進めた状態での比較もしてみました。

圧縮圧力

エンジンは混合気をピストンで圧縮し、そこに着火して高いエネルギーを得ます。
特に発進時などの高負荷低回転時などは高い圧力がかかり、点火がしにくくなります。
発進時などにガックンガックンとノッキングを起こしやすくなるのもこのためです。
このネガティブ部分を潰してやることで高性能化が図れます。

ノーマル ----------------------------- チューンドエンジン

圧縮圧力
低い <<<<<<<<<<<<<<< 高い
点火
しやすい >>>>>>>>>>>>>>> しにくい

プラグギャップ

プラグギャップが広くなれば広くなるほど消炎作用を打ち消して着火はしやすくなりますが、要求電圧が高くなり普通の状態ではまともに添加しなくなります。
チューンが進み、点火対策がされていないエンジンで高ブーストをかけたり圧縮率を高めるとプラグギャップを縮めるのもそのためです。
またプラグは消耗します。1万キロとか2万キロ程度ではそれほど変わりませんが確実に消耗しています。その結果若干ながらプラグギャップが開いていき、点火しにくくなっていきます。

ノーマル ----------------------------- チューンドエンジン

プラグギャップ
広い >>>>>>>>>>>>>>> 狭い
点火
しやすい >>>>>>>>>>>>>>> しにくい

混合気温度

圧縮圧力にも密接に関係しますが、混合気温度が高いと着火がしやすくなります。また混合気温度が低くなると着火がしにくくなります。
言い換えると、温度が高ければ要求電圧は低くなり温度が低ければ要求電圧が高くなります。
一般的にチューニングを進めると、混合気を冷却するようなチューニングを行うので、やはり点火はしにくくなっていると考えて然りでしょう。
ターボ車などはインタークーラーで、またNOSなどは極端に混合気温度が低下します。
またエンジンそのものが温まっていない冷間時なども失火がしやすい状況であるといえます。適度な暖気は走り出しがスムーズになるわけです。

ノーマル ----------------------------- チューンドエンジン

混合気温度
高い >>>>>>>>>>>>>>> 低い
点火
しやすい >>>>>>>>>>>>>>> しにくい


電極温度

混合気温度と同じように、電極の温度が低いと着火がしにくくなります。逆に電極温度が高いと着火しやすくなります。
この項目は、事項で述べる熱価にも関係してきます。

ノーマル ----------------------------- チューンドエンジン

電極温度
高い >>>>>>>>>>>>>>> 低い
点火
しやすい >>>>>>>>>>>>>>> しにくい


空燃比

混合気の空燃比が薄いと、着火しにくくなります。また、要求電圧が高くなります。
逆に空燃比が濃いと、着火しやすく、なた要求電圧も低くなります。
これはセッティングに大きく関係しますが、通常ノーマル状態の車はマージンとして濃い目のセッティングがされています。チューンを進めると、その安全マージンを可能な限り削って、パワーを出すために薄めにセッティングをとるようにします。しかしそのために点火はしにくくなる・・・
空燃比は濃い分にそれほど問題はないのですが、薄いときに失火などしたらそれこそブローに直結です。

ノーマル ----------------------------- チューンドエンジン

空燃比
濃い >>>>>>>>>>>>>>> 薄い
点火
しやすい >>>>>>>>>>>>>>> しにくい

消炎作用

プラグはいったん飛火しうまく着火すると、混合気に着火した火炎核が膨張し始めます。
しかし膨張し始めた火炎核がプラグの電極に到達すると、電極に熱を奪われて失火します。これを消炎作用といいます。
上記のように「苛酷な環境」下でチューニングを進めていくと、どうしても着火しにくい方へ方へと推移します。そこでまずプラグギャップを縮めて飛火をしやすくします。ギャップが狭くなれば確かに飛火はしやすくなりますが、その後の火炎核の成長は電極に阻まれて小さなものになってしまいます。これもまた失火となるのです。
点火チューンをしない段階では、その絶妙なバランスの元で点火を見つめなければならないのです。

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